連立方程式の文章題④

たむかい学習教室
7月22日
読了時間: 9分

連立方程式の文章題④

当ブログでは、授業のポイント解説をしています。

中２数学では、連立方程式の加減法や代入法の計算学習から、文章題の学習に入っています。問題文を式にするときには、文を区切りながら等しい関係を見つけ出すことがポイントになります。

方程式のつくり方

例題

50円硬貨と100円硬貨があわせて12枚あります。合計金額は900円です。50円硬貨と100円硬貨はそれぞれ何枚ありますか。

問題文（文末）にある

「○○はそれぞれいくつあるか」

「○○をそれぞれ求めなさい」

👉求める○○の数量を文字で表す

50円をｘ枚、100円をｙ枚とする。

枚数の式

ｘ＋ｙ＝12（枚）

金額の式

50ｘ＋100ｙ＝900（円）

👉表や式を作るときは「単位」を付けて書く。文字式が何を求めるための式かをはっきりさせる。

演習問題

問題

バット１本とボール１個を買った。定価の合計は7500円であったが、バットは定価の30％引き、ボールは定価の20％引きだったので、代金は5300円になった。バット１本、ボール１個の定価をそれぞれ求めなさい。

バット1本の定価をｘ円、

ボール1個の定価をｙ円とする。

定価の合計は7500円だから、

ｘ＋ｙ＝7500　①

バットの場合

値下げ分は、

ｘ×（－3/10）＝－3/10ｘ円

ボールの場合

値下げ分は、

ｙ×（－2/10）＝－2/10ｙ円

値下げ分の合計は、

－3/10ｘ＋（－2/10ｙ）＝5300－7500

－3/10ｘ－2/10ｙ＝－2200　②

②×（－10）

３ｘ＋２ｙ＝22000　②’

①×２－②’

　　２ｘ＋２ｙ＝15000

－）３ｘ＋２ｙ＝22000

　　－ｘ　　　＝－7000

　　　　　　ｘ＝7000

①に代入

7000＋ｙ＝7500

ｙ＝500

よって、

バット　7000円

ボール　500円

別解👇

問題

ある中学校では、昨年の美術部と吹奏楽部の部員数の合計は、80人だった。今年は、美術部が10％増え、逆に吹奏楽部が10％減ったため、全体で２人減った。今年の美術部と吹奏楽部、それぞれの部員数を求めなさい。

昨年の美術部員をｘ人、

昨年の吹奏楽部員をｙ人とする。

昨年の合計は80人だから、

ｘ＋ｙ＝80　①

今年の美術部員の増減分は、

ｘ×（＋1/10）＝1/10ｘ人

今年の吹奏楽部員の増減分は、

ｙ×（－1/10）＝－1/10ｙ人

増減分の合計は、

1/10ｘ＋（－1/10ｙ）＝－２　②

①－②×10

　　ｘ＋ｙ＝80

－）ｘ－ｙ＝－20

　　　２ｙ＝100

　　　　ｙ＝50

①に代入

ｘ＝30

美術部員の増減分は、

30×1/10＝＋3人

今年の美術部員は、

30＋3＝33人

吹奏楽部員の増減分は、

50×（－1/10）＝－5人

今年の吹奏楽部員は、

50－5＝45人

よって、

今年の美術部員　　33人

今年の吹奏楽部員　45人

別解👇

問題

周囲が3600mの池がある。この池を、Ａは自転車で、Ｂは徒歩でまわる。同じところを同時に出発して、反対の方向にまわると、15分後にはじめて出会う。また、同じ方向にまわると、ＡはＢに30分後にはじめて追いつく。Ａ、Ｂそれぞれの速さは分速何ｍか求めなさい。

Ａの速さを分速ｘｍ、

Ｂの速さを分速ｙｍとする。

出会う場合

ＡとＢが進む道のりの和は１分につき計（ｘ＋ｙ）ｍ

15分で計3600ｍとなるから、

15（ｘ＋ｙ）＝3600　①

追いつく場合

ＡとＢの進む道のりの差は１分につき計（ｘ－ｙ）ｍ

30分で計3600ｍとなるから、

30（ｘ－ｙ）＝3600　②

①÷15－②÷30

　　ｘ＋ｙ＝240　①’

－）ｘ－ｙ＝120　②’

　　　２ｙ＝120

　　　　ｙ＝60

①’に代入

ｘ＋60＝240

ｘ＝180

よって、

Ａの速さ　分速180ｍ

Ｂの速さ　分速60ｍ

問題

２けたの自然数がある。この自然数の十の位の数の３倍は、一の位の数より２大きい。また、この自然数の２倍は、十の位の数と一の位の数を入れかえてできる数より１大きくなる。もとの自然数を求めなさい。

もとの自然数の

十の位の数をｘ、一の位の数をｙとする。

３ｘ＝ｙ＋２　①

２（10ｘ＋ｙ）＝（10ｙ＋ｘ）＋１　②

①より

ｙ＝３ｘ－２　①’

②より

20ｘ＋２ｙ＝10ｙ＋ｘ＋１

19ｘ－８ｙ＝１

ｙに３ｘ－２を代入

19ｘ－８（３ｘ－２）＝１

19ｘ－24ｘ＋16＝１

－５ｘ＝－15

ｘ＝３

①’に代入

ｙ＝９－２

ｙ＝７

もとの自然数を10ｘ＋ｙとしたから、

10×３＋７＝37

よって、37

途中の計算では、代入法で求めた方が手間が省けることもある。

連立方程式では、筆算型の加減法でない計算手順があることも押さえておく。

問題

「百の位の数と一の位の数が等しい」

👉２つの位の数は同じ文字を使う

百の位と一の位の数をｘ、十の位の数をｙとする。

すべての位の数を加えると20になるから、

２ｘ＋ｙ＝20　①

もとの自然数は、

100ｘ＋10ｙ＋ｘ

＝101ｘ＋10ｙ

百と十の位を入れかえた自然数は、

100ｙ＋10ｘ＋ｘ

＝11ｘ＋100y

（位を入れかえた数）－（もとの数）＝180

（11ｘ＋100ｙ）－（101ｘ＋10ｙ）＝180

－90ｘ＋90ｙ＝180

両辺÷90

－ｘ＋ｙ＝２　②

①－②より

　　２ｘ＋ｙ＝20

－）－ｘ＋ｙ＝２

　　　　３ｘ＝18

　　　　　ｘ＝６

②に代入

－６＋ｙ＝２

ｙ＝８

もとの自然数を、101ｘ＋10ｙとしたから、

101×６＋10×８

＝686

よって、686

問題

ある公園には２つの花だんＡ、Ｂがあり、花だんＡの面積は、花だんＢの面積の２倍より10ｍ²小さい。また、花だんＡの50％の部分と花だんＢの75％の部分にパンジーが植えられていて、その面積はあわせて51ｍ²である。ＡとＢの面積をそれぞれ求めなさい。

Ａの面積ｘｍ²、

Ｂの面積ｙｍ²とする。

Ａの面積は、Ｂの２倍より10ｍ²小さいから、

ｘ＝２ｙ－10　①

Ａの50％の部分は、

ｘ×50/100＝50/100ｘｍ²

Ｂの75％の部分は、

ｙ×75/100＝75/100ｙｍ²

合わせて51ｍ²だから、

50/100ｘ＋75/100ｙ＝51　②

②×100

50ｘ＋75ｙ＝5100

両辺÷25

２ｘ＋３ｙ＝204　②’

ｘに２ｙ－10を代入

２（２ｙ－10）＋３ｙ＝204

４ｙ－20＋３ｙ＝204

７ｙ＝224

ｙ＝32

①に代入

ｘ＝64－10

　＝54

Ａの面積　54ｍ²

Ｂの面積　32ｍ²

問題

れんさんは、自宅を出発して最寄りのバス停Ａまで歩いて行った。バス停Ａで３分間待ち、来たバスに乗って次のバス停Ｂまで行った。れんさんの歩く速さは毎分60ｍ、バスの進む速さは毎分600ｍとする。れんさんが自宅を出発してからバス停Ｂに着くまでにかかった時間の合計は12分であり、移動した道のりの合計は2700ｍであった。自宅からバス停Ａまでの道のりは何ｍか、求めなさい。

自宅からＡまでの道のりをｘｍ、

ＡからＢまでの道のりをｙｍとする。

自宅～バス停Ａ

道のりｘｍ、分速60ｍ

かかった時間は、ｘ／60 分

待ち時間を合わせると、

（ｘ／60＋３）分

バス停Ａ～Ｂ

道のりｙｍ、分速600ｍ

かかった時間は、ｙ／600 分

自宅からＢまでの時間の合計は12分だから、

（ｘ／60＋３）＋ｙ／600＝12　①

道のりの合計は2700ｍだから、

ｘ＋ｙ＝2700　②

①×600

10ｘ＋1800＋ｙ＝7200

10ｘ＋ｙ＝5400　①’

①’－②

　 10ｘ＋ｙ＝5400

－）ｘ＋ｙ＝2700

　９ｘ　　＝2700

　　　　ｘ＝300

よって、300ｍ

※解に対する検算をする

①’に代入するとｙ＝2400ｍ

②に代入するとｙ＝2400ｍ

別解👇

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